Method 03
SOTP(サム・オブ・ザ・パーツ)
複数事業を持つ企業を、事業ごとに評価して合計する。コングロマリットの「隠れた価値」を探る。
SOTPの考え方
SOTP(Sum of the Parts)は、複合企業やコングロマリットを評価する手法です。各事業を独立した企業として評価し、その合計から全体の価値を導きます。
事業ポートフォリオが多様な企業では、全社一律のマルチプルで評価すると高成長事業が過小評価されたり、低成長事業が過大評価されたりする問題があります。SOTPはこの問題を解決します。
SaaS事業
EV/Sales 6x
¥90B
広告事業
EV/EBITDA 8x
¥45B
EC事業
EV/EBITDA 5x
¥30B
その他
純資産
¥15B
+事業価値合計¥180B
−本社費用(5年PV)−¥8B
−純有利子負債−¥22B
株主価値(SOTP)
¥150B
現在の時価総額 ¥125B → 20%ディスカウント
Step 1: 事業セグメントの特定
まず、企業の事業を独立したセグメントに分けます。有価証券報告書のセグメント情報や、アニュアルレポートの事業説明を参考にします。
各セグメントの売上高、営業利益、資産などの数値を把握し、それぞれの特性(成長性、収益性、リスク)を理解します。
Step 2: セグメントごとの評価
各事業を独立した企業として評価します。評価手法は事業の性質に応じて選択:
- 成長事業: DCF法やEV/Sales倍率
- 安定事業: EV/EBITDA倍率
- 金融事業: PBRや純資産ベース
- 不動産: NAV(純資産価値)法
Step 3: 全社費用と純有利子負債の調整
本社費用(全社共通コスト)は事業価値から控除します。また、全社の純有利子負債を差し引いて株主価値を算出します。
コングロマリット・ディスカウント
SOTPで算出した価値が市場の時価総額を上回る場合、「コングロマリット・ディスカウント」が存在すると言えます。
ディスカウントの要因としては、複雑性による透明性の低下、非効率な資源配分、経営フォーカスの分散などが挙げられます。事業の売却や分社化でディスカウントが解消される可能性もあります。