Method 04
Reverse DCF(逆引きDCF)
株価から前提を逆算する。市場は何を信じているのかを解き明かす逆引きの発想。
Reverse DCFの発想
通常のDCFは「前提→株価」の順で計算しますが、Reverse DCFはその逆。「株価→前提」の順で、市場が何を織り込んでいるかを逆算します。
「この株価を正当化するには、どれだけの成長率が必要か?」という問いに答える手法です。市場の期待と自分の見立てを比較し、投資判断に活かします。
入力
株価¥4,200
発行済株式50M株
純有利子負債¥30B
→
算出
時価総額¥210B
企業価値(EV)¥240B
→
逆算結果
市場が織り込む
暗示的成長率7.8%
暗示的成長率7.8%
前提の比較
市場の暗示7.8%
業界平均5.2%
自分の予測6.5%
市場は業界平均を大きく上回る成長を期待 → リスク認識が必要
逆算の手順
まず、現在の株価から企業価値(EV)を算出します。株価×発行済株式数で時価総額を求め、純有利子負債を加えます。
次に、DCFモデルの他の前提(WACC、ターミナル成長率、マージンなど)を固定し、EVを達成するために必要な「暗示的成長率」を逆算します。
何がわかるか
逆算した成長率が非常に高い場合、市場は強い成長を織り込んでおり、期待を下回るとリスクがあります。逆に、低い成長率しか織り込まれていない場合、ポジティブサプライズの可能性があります。
例えば「株価を正当化するには年10%の成長が必要だが、業界平均は5%」という分析結果は、その株が市場から高い期待を受けていることを示唆します。
DCFとの併用
Reverse DCFは単独で使うのではなく、通常のDCFと併用することで真価を発揮します。自分のDCFで算出した株価と、Reverse DCFで逆算した前提を比較することで、「市場の見方」と「自分の見方」のギャップを明確にできます。
- 市場の暗示成長率 < 自分の予測: 本源的価値の推定レンジが株価を上回る可能性を示唆
- 市場の暗示成長率 > 自分の予測: 本源的価値の推定レンジが株価を下回る可能性を示唆
- ほぼ一致: 市場効率性を示唆、カタリスト待ち